北海道にはいまだに多くの自然が残っています。都会ではなかなか見られない野鳥を観察できる場所がたくさんあります。その中でも今回は道南の車で行きやすい野鳥観察ポイントを紹介します。
1.函館山
函館山は津軽海峡に突き出した陸繋島です。函館市内からもアクセスが良く、冬期間と夜景の見える夕方の時間を除き、自動車で山頂まで登ることができます。標高はわずか334mの小さな山にも関わらず、たくさんの野鳥たちと出会うことができます。
春、秋 ルリビタキ、コマドリ、クロジエゾビタキ、ビンズイ、など
夏 オオルリ、クロツグミ、キビタキ、アカハラ、ウグイス、メジロ、など
冬 ジョウビタキ、シメ、ツグミ、など
通年 シマエナガ、シジュウカラ、トビ、ハクセキレイなど
2.函館湾
函館湾は函館山の西側から北斗市にかけての内湾です。函館湾といえばコクガンです。国道228号線を函館から知内方面に進むと、左手に函館湾を望め、そのいたるところでコクガンを見ることができます。コクガンは11月頃から翌年3月頃まで湾周辺で過ごします。
冬 コクガン、オオセグロカモメ、シロカモメ、オジロワシなど
3.大沼国定公園
大沼国定公園は大沼・小沼・じゅんさい沼などの湖沼と100以上の小島によって構成された観光地です。発達した森林にはクマゲラなどの多くの野鳥が生息し、道南有数の探鳥地となっています。大沼ネイチャーセンターには給餌台が設置されており、冬になると、カラ類やアカゲラ、コゲラ、ミヤマカケス、シメなどの多くの野鳥が訪れます。中でもヤマゲラは人気です。大沼公園駅から北に数百メートル進むと月見橋があり、冬の朝はここでオオハクチョウを狙うカメラマンで溢れます。また、大沼公園駅付近の駐車場の近くの山林ではシマエナガの群れと出会えるかもしれません。
春・夏 ニュウナイスズメ、クロツグミ、マミジロ、アカショウビン、コムクドリなど
冬 ミコアイサ、カワアイサ、カモ類、オオハクチョウ、アオシギなど
通年 クマゲラ、ヤマゲラ、シマフクロウ、シマエナガ、ヤマセミ、オオタカなど
4.オニウシ公園
国道5号線を函館から札幌方面に進み、一時間弱の位置にある、森町のオニウシ公園は、隣接する青葉が丘公園と合わせ、20万㎡の広大な面積を持ちます。季節を問わず、多くの人でにぎわっています。オニウシ公園は桜の名所としても知られ、ソメイヨシノも多く植えられています。そんな、オニウシ公園には桜の密を目当てに、メジロが多数訪れ、カメラマンたちの格好の被写体となっています。また、夏鳥の飛来時期と桜の開花が重なると、オオルリやキビタキなどが枝にとまり、桜と共演してくれます。
春・夏 メジロ、ツグミ、コムクドリ、オオルリ、ルリビタキ、キビタキなど
冬 ウソ、アカウソ、シマエナガ、アカゲラ、ハイタカ、カラ類など
5.静狩湿原
静狩湿原は長万部町にある噴火湾沿いの湿原です。かつて噴火湾沿いには大小の湿原が点在していましたが、開発とともに数を減らしています。そんな中でも、静狩湿原はかつての面影を残す貴重な湿原でです。一見すると湿原というより、草原に見えるが、それでも草原性の野鳥たちの繁殖地であり、多くの野鳥に出会うことができます。6月から7月の繁殖期には、ノビタキ、コヨシキリ、ベニマシコなどが集まり、合唱しているところを観察できます。
夏 ノビタキ、ホオアカ、コヨシキリ、カッコウ、アリスイ、大路市議、モズ、オオタカ、コムクドリなど
以上が、道南の野鳥撮影ポイント5選です。今回は車で行きやすい場所を中心にご案内しました。野鳥観察の際はくれぐれも、路上駐車などはせず、安全運転で行きましょう。また、野鳥観察をする際には、主役である野鳥たちを怖がらせるようなことや、夢中になりすぎて私有地に無断で立ち入ることのないように気をつけましょう。